「山吹」加賀友禅訪問着 由水煌人作
大きい写真を見る
 

「山吹」加賀友禅訪問着 由水煌人作

身丈168cm 裄丈69cm 袖丈49cm

藍がかった濃グレー地に、流れる様に枝を広げる山吹の花が大胆な構図で描かれた加賀友禅の訪問着のお着物です。
加賀友禅の第一人者である由水十久氏の長男であり、森口華弘氏に師事し、京友禅を学ばれた由水煌人氏の作品は、父である由水十久氏が得意とされた代表的なモチーフである童子の図などとはまた違った作風で、草花を着物全体に躍動的な構図で描かれたものが多く見られるようです。
こちらの訪問着のお着物も、肩口から流れるような線で全体に山吹の花が描かれています。
その花の躍動感と、空間としてとられた地のお色とのバランスが絶妙で、お召になった時にお花の柄でありながらすらりとスマートな印象になる様に計算されている様です。
山吹の花と言えば太田道灌(おおたどうかん)にまつわる歌が思い浮かびます。
ある日、鷹狩りに行った道灌が帰り道に雨に降られ、困ってあばら家の様な家に立ち寄り、蓑を貸してほしいと頼んだのですが、そこに現れた少女が蓑ではなく山吹の花を一枝差出し、「七重八重花は咲けども山吹のみの(実の)ひとつだになきぞかなしき」と後拾遺集の中の歌を詠んだと言われています。
その時には道灌はその意味が解せず腹を立て帰りました。
後に家臣にその意味を解かれ、貸せる蓑ひとつさえないほど貧しくても、教養のある娘の行いに感動し、勉強の足りなかった自分を反省し、その後道灌は歌の勉強に励んだと言われる物語です。
なんだか少し教訓の様な、ちょっとお洒落なお話ですね。祖父からこのお話を何度か聞かされた事を思い出したりもしました。
そんな歌が流れてくる様な情緒さえ感じられる、優美な美しいお着物です。
山吹の花と言えば黄色を思いますが、こちらは白く描かれていて、ちょっと見ると桜の花の様にも見えたりしますので、もう少し早い時期からお召いただけそうです。
全面にお花が描かれていながら、地のお色からか構図からかどこかきりっとした印象を受けます。
小さいお花の集合の図柄のものは、帯次第で強弱をつけてセミフォーマルから純礼装まで色々と着こなしをアレンジしていただけますので、大変おすすめです。
加賀友禅の第一人者のお一人でもある、由水 煌人氏の素晴らしい作品です。
お仕立替済。
1枚目の写真をクリックすると、大きい画像をご覧いただけます。

商品番号 r0883
「山吹」加賀友禅訪問着 由水煌人作
販売価格 有難うございました

line