「ローラン 深海の園」袋帯
染織匠俵屋製 喜多川俵二
今回ご紹介させていただきますのは、重要無形文化財「有職織物」技術保持者・喜多川俵二氏が18代目を務められる「染織匠俵屋」さんの作品です。
お父様の喜多川平朗氏と2代に渡って人間国宝となられ、お若いころからお父様とともに有職織物の伝統を守るための研究を重ねられ、昭和63年に俵屋を継承されました。
その後も数々の作品を手がけられ世に出されていますが、一時は画家を目指された事もあるという俵二氏ならではの独創的なデザインと思える、特別珍しい袋帯の作品です。
私自身も最初に目にしたときには驚きと嬉しさとで、しばらくは帯としてではなく一つの美しい織物の作品として眺めてしまいました。
「深海の園」というタイトルにある様に、深海の世界をイメージしてデザインされている様です。
銀色をベースに利休鼠色や青鈍色などの抑えた色合いですが、かなり大胆で幻想的な図案が織り出されていて、未知の深海へのロマンを感じられ、どこからか物語が聞こえてくる様でもあり、見ていて楽しく飽きる事がありません。
銀の箔糸と駒糸を経緯に駆使して何重かに重ねて織られたものですが、このタイプの三重紗の様な織り方は、以前に井関宗麟氏の展覧会作品で見た事があり、とても大変な技術を要して織られるために数は少ないと聞きました。
夏のシーズン以外、年間を通してお使いいただけますが、軽やかな張りのある質感ですので、これからの季節に最適かと思いご紹介させていただきました。
抑えた色合いの様に見えますが、実際に帯の形にして立てて見ますと、アールヌーボー的なモダンな柄がぐっと浮き出て上品な華やかさが現れます。
かなり格高の訪問着や色留袖まで合わせていただけて、目を引く美しさでフォーマルの装いを一段と引き立ててくれる事と思います。
大変希少性も高く、まず出合う事はないと思われますが、当然の事ながらその抜群の完成度の高さは心地良くもあります。
是非実物をご覧いただきたい、素晴らしいおすすめの逸品です。
未着用品。
(長さ)4m55cm×(太鼓巾)30.6cm。
商品番号 r0894
「ローラン 深海の園」袋帯 染織匠俵屋製 喜多川俵二
販売価格 有難うございました
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