御所解文様結城紬名古屋帯 紬屋吉平扱
着物の世界に限った事ではないのかもしれませんが、近年ではコスト的な事が優先されたり、各分野の技術者の激減などからどこか妥協の見える様な物が当たり前となり、それとは反対に現在お着物を着ようと思われる方々の知識と情報は豊富で、それに伴ってご要望のレベルはどんどん高くなり、そうした方々に喜んでいただける様な「良い物」というのはとても少なくなっています。
それをなんとか見つけてくるのが私の仕事ではあるのですが、そんな緒事情の中で、着物にとっても良い時代と言える昭和の頃にきちんとつくられたこちらの様な帯を見ていると安心感を得られ、なぜかほっとしたりします。
こちらは真黒でもなく藍でもなく、茄子紺を濃くした様な黒橡(くろつるばみ)の色が結城紬にしっとりと馴染み、品の良い光沢で独特の存在感を現わしている様です。
手描きの糸目の線にも味わいのある御所解模様が丁寧に友禅で描かれています。
お洒落着用の名古屋帯においても決して緩められる事のなかった浦澤月子氏のこだわりが見てとれます。
そのため、時を経た現在に見てもやはり新鮮で素敵なのでしょう。
地色と挿し色の木々の葉の茶系とのコントラストや、濃淡に染められた色の配分などもすべて計算されてデザインされたのでしょう。それがとても奥行きのある柄となっていて、きっと実際に帯として使われた時にどれほどその柄が引き立つ事かと今から楽しみです。
昭和の優れた技術者による仕事の良さと、プロデューサーのセンスの良さが融合した素晴らしい逸品です。
(長さ)3m57cm×(太鼓巾)30.6cm×(前巾)16cm。
こちらの帯の色は「#190e0a WEB色見本 原色大辞典」をご参照ください。
商品番号 r0938
御所解文様結城紬名古屋帯 紬屋吉平扱
販売価格 有難うございました
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