蒔糊に手描刺繍菊図訪問着
人間国宝 森口華弘作 三越扱
身丈168cm 裄丈69cm 袖丈49cm
重要無形文化財「友禅」保持者・森口華弘作。
今回の『大正・昭和〜なつかしき良き時代の着物作家の巨匠たち』展では、森口華弘氏作品を2点もご紹介できる事を嬉しく思います。
こちらは全面に無数の撒糊が施されたモノトーンの中に、やや渋みのある金彩ですらりとした菊の花が手描きで描かれ、お花の部分には細やかな手刺繍が施された訪問着のお着物です。
森口氏は昭和の前半に、江戸後期の小袖などに見られる撒糊による染めの効果にインパクトを受け、また漆の蒔絵の梨地の様に着物全体にそれを施すという、それまでにどなたも思いもよらなかったアイデアと染色方法を思いつかれ、その研究を長い年月を重ねて実現されました。
それは作品の中で撒糊の密度による濃淡であったり、重ねて染められる事による奥行きであったり、自在な色の表現方法の一つとして高い技術によって行われ、それを確立された時、漆の蒔絵に因んで「蒔糊」と名付けられたそうです。
長年の研究と一口には言えないご苦労もたくさんおありだった事と思いますが、いつも森口氏作品を目にする時には、そんな事はみじんにも思わせない様なおおらかなやさしさが感じられます。
ずっと以前に、人間国宝を取材したテレビの番組でおそらく60代だったと思われる森口華弘氏が撒糊の作り方などの説明をされ、できあがったものを実際に手で布に撒かれている場面で本当に楽しそうになさっているのを見て、なんだかこちらまで嬉しくなったのを覚えています。
こちらのお着物にも見られる、白く小さなそして色々な形の点々を見ていると今でもそのお顔が目に浮かぶ様です。
少しだけ甘さのある柳煤竹色のシックな中に華やかさと品格のある素晴らしいおすすめの逸品です。
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こちら着物の地色は「#767f6e WEB色見本 原色大辞典」をご参照ください。
商品番号 r0969
蒔糊に手描刺繍菊図訪問着 人間国宝 森口華弘作 三越扱
販売価格 有難うございました
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