嵐山風景模様訪問着
人間国宝 稲垣稔次郎作
身丈161cm 裄丈66cm 袖丈49cm
型染の世界に京都近郊の風物などの絵画的要素を盛り込んで、独特の色使いで情緒あふれる素敵な作品を発表、それは後に「型絵染」と呼ばれ、1962年には人間国宝にも認定された稲垣稔次郎氏作の訪問着のお着物です。
黄味を帯びたベージュ地に千歳緑色を主に使われ、松林とその手前に川が流れる風景を描かれています。
型染は細かい柄の部分の型が揺れたり、ばらばらにならないために「吊り」と呼ばれる連結が必要なのだそうですが、稲垣氏は型にも工夫を施され、その吊りをなくして柄が繋がった型をデザインされ染められました。
切り絵の様な影絵の様な独特のシルエットはそうした工夫の中から生まれたものの様で、淡く綺麗な暈しを含んだ色使いも幻想的で素敵な風情があります。
こちらは50年位前の作品となります。
今回の『大正・昭和〜なつかしき良き時代の着物作家の巨匠たち』展に是非ご紹介したいと思い、お手入れをしてお仕立替をいたしました。
アンティークのお着物などにもある事ですが、50年以上も経ちますと紋の部分が弱っているものをたまに見かけます。
こちらの作品も一つ染抜きの紋が入っていたのですが、その部分の生地が弱くなっていました。
そのため、あまり柄に影響がない程度に背中心を多めに縫い込んでお仕立をいたしました。
その他の部分は十分にお召いただける状態になっていますが、昭和の巨匠の参考作品としてご覧いただけたらと思い、ご紹介させていただきました。
京都の嵐山と思われる風景を描かれた、素晴らしい作品です。
こちらの着物の柄部分の色は「#306639 WEB色見本 原色大辞典」をご参照ください。
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商品番号 r0985
嵐山風景模様訪問着 「型染」人間国宝 稲垣稔次郎作
販売価格 有難うございました
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