「千代の冠錦」本袋帯
龍村平蔵製
龍村平蔵氏は大正時代などには日常に着られていた帯という織物を、長きに渡って古い染織品の復元や研究を重ねられ、美術的価値のある織物へと高める事に大変貢献されました。
また当時の西陣の織物の中心は伝統的な織物が中心でしたが、画期的な改革をされ、それまでにない独創的な作品を多く世に輩出されました。
その作品に出合うたびにいつも新鮮な驚きを感じ、また高い技術と品質の良さの裏付けには感動さえおぼえます。
今回は2点ご紹介させていただきますが、同じ黒地にはっきりとした色使いのフォーマル用のものですが、こんなにも個性が違うのかと思えて面白いです。
こちらは天に鶴を配した立派な冠を描いた本袋帯ですが、近年ではこの図案は稚児の衣裳で目にします。
日本では平安時代から、邪気がなく神様に近いとされる稚児の力で五穀豊穣を祈ったり悪魔払いを行った風習があり、その女の子の装束にこの冠を見る事があります。その風習は現在も地域的に続けられている様です。
近日中にご紹介予定の初代由水十久作の訪問着のお着物の模様にも、同じ冠を身につけて踊る女性の図が描かれていて、偶然で面白いと思いました。
冠を織り出された色糸の暈しがとても美しく、またキラキラとした飾りの玉が揺れている様に描かれた部分や飛び立つ鶴の姿に臨場感があり、クラシックなモチーフの中にも龍村平蔵製の個性がきらりと光ります。
お太鼓の形にしますと素晴らしく豪華で、きっと合わせられる訪問着や色留袖などのお着物を華やかに引き立ててくれる事と思います。
(長さ)4m34cm×(太鼓巾)31cm。
商品番号 r1021
「千代の冠錦」本袋帯 龍村平蔵製
販売価格 有難うございました
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