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秋草模様友禅絽訪問着
千總製

墨黒というよりも、赤紫か焦茶をずっと濃くした様なこっくりとした深味のある地色に、可憐な秋草の模様が散りばめられたといった表現が似合う、千總製の素敵な絽の訪問着のお着物です。
水辺に女郎花、野菊、萩、河原ナデシコ、藤袴、桔梗など秋の七草が揃って、そこに網干が描かれ、初秋の情緒と清涼感が感じられます。
きめ細やかな友禅の美しさと、多色使いでありながら気品のある色どりはさすがと思わされます。
涼感を意識してか縁取りは銀彩となっていて、刺繍にも銀駒糸が使われています。
素朴で可愛い野の花たちが、ちょっとよそ行きな表情で何だか気取っている様に見えて楽しいです。
さりげなさの中に一流の雰囲気が漂い、きっとお召しになる方をぐっと引き立てて品格のある装いを後押ししてくれる事でしょう。
夏は淡色使いや白地のものが圧倒的に多い中、これほどの加工とデザインで濃色が透ける華やかさと美しさを表現した素晴らしい夏の逸品です。
地色が真黒でないところも本当に洒落ています。
銀箔使いの紗の袋帯などとお合わせいただいて、王道的な格好良い夏の装いをお楽しみいただきたいと思います。
未着用品。
こちらの着物の地色は「#19160c　WEB色見本　原色大辞典」をご参照下さい。