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「虫籠と童子」加賀友禅名古屋帯
初代由水十久作

こちらは、初代由水十久氏作の素晴らしい名古屋帯です。
昨年の松坂屋さんでのイベントでご紹介させていただいた帯と同じくらいのクラスの大作と思われます。
こちらは初代由水氏らしい色使いと繊細な友禅の図柄に、思わずうっとりとしてしまいます。
やさしいクリームがたっぷり入ったココアの様な櫨色の地に、青磁色と芥子色の小紋のお着物を着た童子が2人、おそらくお兄ちゃんと思われる少し背の高い子が手にした虫籠を、弟が覗き込んで見ている様子が描かれています。
なんとも平和でのどかな時間の流れが伝わってくる様で、微笑ましく見る事ができます。
背景の野菊は少し抑えたモノトーンで描かれていて、その事で立体感が生まれ、全体が活き活きとして感じられます。
小さい方の子の後ろ頭の幼さと、少しかかとを上げてつま先立っている様子が愛らしく、細やかな描写はさすがと感動します。
帯で締めるというよりもまずしばらくは眺めていたい様な、そんな魅力にあふれています。
もちろんお召しいただくにも、どんなお着物にもなじむ上品でやさしい色合いは本当に嬉しく思えます。
紬のお着物にも良いですし、江戸小紋や色無地、お召し織のお着物などにも幅広く活用していただけます。
もちろん、とっておきのお着物と合わせてお出かけされるのも素敵ですね。
お出かけがとても楽しみになる様な、今からどきどきしてしまう様な、貴重なおすすめの逸品です。
未着用品。
櫨（はじ）色は「#7f563d　WEB色見本 原色大事典」をご参照下さい。