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孔雀図蒔糊友禅訪問着
人間国宝　森口華弘作

今回の『深まる秋のよそほひ　逸品展』では、人間国宝である森口華弘氏の大変希少性の高い作品を何点かご紹介する事ができて嬉しく思います。
こちらは、森口氏が梅と並んで好まれて使われていたモチーフでもある孔雀の羽根が大胆な構図で描かれた訪問着のお着物です。
地の紺鼠色のクリアさがこのお着物全体を清々しいものとしている様ですが、空気を含んでやさしく広がりをみせる孔雀の羽根の白い真糊の線を包み込んで華やかにしているとても淡い桃色とのコントラストが見事です。
そして羽根の先のポイントには黄金色を挿されて躍動感を出され、同時に華やかさも添えられている様に見えます。
重量感のある縮緬地に染められていて、さらなる迫力を生み出しています。
とにかく素晴らしい作品です。
こちらは、お持ちだった方が一度お仕立をされたかどうかはわからないのですが、衿肩あきがあいた仮絵羽の状態で入荷いたしました。
時代的な面からも寸法や柄合わせに少し苦労をして調整してお仕立をいたしました。
また抜き紋が一つ入っています。
どうにか今回のイベントの直前に間に合って、綺麗にできあがってきてくれて安心し、嬉しく思いました。
そしてやはりその作品力には感動を覚えました。
たっぷりとしたおおらかな構図に緻密に重なる蒔糊の美しさ、この機会に昭和の染織界の巨匠と呼ばれた森口華弘氏作品を、そして3点の個性の違いを是非ご覧下さいませ。
紺鼠色は「#44617b　WEB色見本　和色大辞典」を、
桃色は「#efa7ad　WEB色見本　原色大辞典」を、
黄金色は「#e6b422　WEB色見本　和色大辞典」をご参照下さい。
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