着物　アンティーク着物　振袖　訪問着　留袖

「藍の茎染」草木染真綿紬着物
日本工芸会正会員　山岸幸一作

一般に素晴らしい作品をご紹介する時に、「こだわりや妥協を許さない」という表現を使われる事がよくありますが、こちらはそんな言葉では説明しきれないくらいに手間と時間を惜しまず、ひたすら良いものをつくり続ける事に喜びを感じられて、丁寧に熱心に糸を染めて作品を織り続けていらっしゃる日本工芸会正会員・山岸幸一氏の素敵なお着物です。
先日の伝統工芸展では、シンプルながらも少し珍しいと思われる力強い縞の作品が展示されていて、とても魅力的な作品だと思いながら拝見いたしました。
今回ご紹介させていただくお着物は、少し渋めの桑染色のシンプルな細縞の作品です。
灰白色と説明が書かれた地の色は藍の茎で染められているそうです。
それに藍の根と葉で染めた糸が縞で織り込まれている様です。
藍を使った作品は多くの作家の方がつくられていますが、山岸さんの手にかかるとこんなニュアンスの色になるのだなと感心させられました。
こだわりで選ばれた糸はしなやかで光沢があり、年数を経て色がしっとりと浸透して、やさしく淡い色でありながら深く綺麗なものとなっている様です。
丁寧に熱心に染められた糸だからこそ、お召しになる時にそれが花開いて、素晴らしく目を引くものとなるのかもしれません。
こんな飽きの来ないシックでシンプルな味わいのある作品とは一生仲良くできそうです。
上質な絹の糸がやさしく語りかけてくれそうな、真綿の心地良さをまとう喜びを感じられる、素晴らしいおすすめの逸品です。
未着用品。