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四季の草花模様暈しに友禅訪問着
土田麦僊画写　志ま亀扱

立派な屏風絵を見る様に、四季の草花が日本画の様に描かれた訪問着のお着物です。
品格のある青磁の様な山葵色の地に、裾からは白橡色が湧き上がる様に染め分けられ、そこに大牡丹、花菖蒲、萩、紅葉がはっきりとした輪郭の日本画調の技法で大胆に描かれています。
お着物の添え書きには「土田麦僊画写」とありました。
大原女や舞子などの人物画でも有名な日本画家である氏の絵が基本となっている様で、そういった意味合いからも貴重な一点と言えます。
2色の染め分けの中間には山吹茶色が流れる様に染められ、そこには楽しそうに飛び交う雀が描かれ、袖には菊の花も見えます。
大胆で流麗な地染めとは対照的にお花はどっしりとしていて、それぞれに存在感のある様子で描かれているのを面白く見る事ができます。
いずれにしてもバブリーな時代のすごさが伝わってくる様な嬉しい贅沢感があり、最初に見た時には色留袖かと思ったくらいです。
遊ぶ雀の可愛らしさが、全体の大作ならではの緊張感から解き放ってくれている様にも見えます。
第一礼装の訪問着としての役割を果たして、ゴージャスで品格のある装いを約束してくれる事は間違いありません。
さらに、きっと同じものには出合わないだろうと思われる、きりっとした個性を持っています。
こちらのお着物にお合わせいただけそうな川島織物製や河合美術織物製などの高いクラスの帯も、併せて大阪のイベントにお持ちする予定です。
大変飾り映えも着映えもするタイプの昭和の逸品です。
是非実物をご覧くださいませ。
白橡色（しろつるばみいろ）は「#cbb994　WEB色見本　和色大辞典」を、
山葵色（わさびいろ）は「#a8bf93　WEB色見本　和色大辞典」を、
山吹茶色は「#c89932　WEB色見本　和色大辞典」をご参照下さい。
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