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「梅」蒔糊友禅訪問着
人間国宝　森口華弘作

新年のスタートにご紹介させていただける事が嬉しく思える、人間国宝・森口華弘氏の訪問着の作品です。
全体が見事な蒔糊で染められ、裾と袖の底にはスカラップの様な曲線で区切られた中に、もう一段密度の高い蒔糊の染めがほどこされ、小さな梅の花が散らされています。
地の萌黄色と蒔糊の部分の白とのコントラストが新鮮で、新春にふさわしい爽やかさがあり芽吹きの季節の活き活きとした力が感じられるものとなっています。
昨年もご縁があって森口氏作品を何点かご紹介させていただきましたが、どれもこれもそれぞれに違う魅力にあふれていて、お召しいただいた方皆さまのお顔がほころんで、その作品の力を肌で感じられた様で、お伝えできた事を嬉しく思いました。
小さな梅の花には相良刺繍や金糸の刺繍がされて、目立たない様でいてしっかりと存在感があります。
森口氏作品にも色々な種類があり、大きな梅が描かれた大胆な構図のものも目にして楽しくとても好きなのですが、こういった年間を通して着られる機会の多い、小付の柄でありながらも迫力のある蒔糊使いが楽しいこのタイプの作品も個人的には大変好きです。
帯合わせ次第で着こなしのボリューム感と季節感を調節していただけます。
そして実際にお召しいただきますと独特の個性が光り、只者ではないオーラに包まれます。
それは森口氏作品ならではの作品力なのでしょうか。
初春にこんなお着物でお出かけの予定があると、とてもワクワクしますね。
そんなおすすめの定番的な良さも感じられる、昭和の逸品です。
萌黄色は「#536629　WEB色見本　原色大辞典」を、
鶯色は「#928c36　WEB色見本　原色大辞典」をご参照下さい。