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橘の模様友禅に疋田訪問着

沙綾型に春蘭と菊の地紋のある、オレンジ味のあるベージュ・淡黄色の生地に、上前裾から伸びやかに肩口まで幹が伸びて枝を広げ、花をつけた橘が大胆な構図で描かれています。
驚く事に、幹や葉など、全体に細やかな疋田模様がびっしりと書き込まれています。
その見事さはまるで時代衣装を彷彿する様な風情の構図と色使いです。
同じ緑系の色ですが、幹と葉の疋田模様の色はそれぞれ少し違いがあって、その事だけでも立体感のある素敵な模様になっています。
実の部分の杏色がチャーミングなアクセントになって華やかさを演出しています。
久しぶりに入荷した本格的な加工の良い珍しいタイプの訪問着のお着物です。
近年ではこういったタイプや伝統的な茶屋辻模様のお着物をお手本にした、国産ではないお着物も市場に出ています。
それがすべて良くないものとは思いませんし、需要もあるのでしょうと思いますが、コストの面でどうしてもなにかを端折らなければならなくなるため、それは似て非なるものとなっている様に思えます。
見慣れない方には同じものに見えてしまうかもしれませんが、しばらく見ていると違いがわかると思いますし、実際にお召しになる際に一番違いが現れます。
その違いを認識された上で、用途によってどちらを選ぶかをご自身で決めていただければと思います。
こちらのお着物は、やさしい色使いの中にもしっかりとしたデザインが活きて、お召しいただきますと大変品格のある素敵な装いを実現してくれます。
帯は何を合わせましょうと今から楽しみになってしまいますが、濃い色でも同系のやさしい色のものでも、また龍村平蔵製などのインパクトのあるものでも、色々とお合わせいただけるキャパシティの広さを感じます。
なかなか出合う事のない、品質の良いおすすめの逸品です。
淡黄色は「#f8e58c　WEB色見本　和色大辞典」を、
杏色は「#f7b977　WEB色見本　和色大辞典」をご参照下さい。
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