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磯辺風景模様東京友禅二部式袋帯
熊谷好博子作

先日、同じく東京友禅と思われるもう少しおおらかな印象のクリーム色地の名古屋帯をご紹介させていただきました。
こちらはその帯とは対照的で、一部の隙もないと言って良い様な細密さに見る方も緊張してしまうくらい素晴らしく、また独特の友禅の線の美しさに見とれてしまう様な、熊谷好博子氏の袋帯の作品です。
好博子氏のこのタイプの作品に出合うたびに、まず目を奪われ、そして次にこれほどの作品をどのように描いていかれるのでしょうと、素人としてはいつも素直に疑問に感じてしまいます。
自己にチャレンジされるという事はよく言われますが、そういった突き詰めた結果なのでしょうか。それとも、ここにはもう少し線を入れて表現したいという風に楽しまれて描いていく内にこんなにすごいものになってしまった、という様な事なのでしょうか。
いずれにしてもどの作品にも妥協は感じられず、迫力であふれています。
それでいて描かれた図柄は、どこまでも広がる美しい世界と清らかに流れる水を感じられる清々しさとやさしさに満ちています。
個人的にも以前から大ファンなのですが、残念な事に最近ではそういった大作のお着物になかなか出合えなくなってしまいました。
こちらは袋帯ですが、そういった意味での作品力は非常に感じられます。
数えきれないほどの葦、網干、そして波の細やかな流れる線など各所に見応えがあります。
また網干と葦の葉、鶴などに施された細やかな手刺繍がまた嬉しいくらい綺麗です。
いつまでも見ていたい、触れていたい様なそんな魅力にあふれています。
こちらは二部式のお仕立の状態で入荷いたしました。
そのためお値打価格となっております。
どうしてもというリクエストがございましたら、繋ぎ直して袋帯の形に戻す事も可能です。
店頭にてお気軽にお尋ねくださいませ。
実際に締めた時に、命が吹き込まれた様に柄に活き活きとした立体感が生まれます。
昭和の匠の希少性の高い美しい作品です。