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桜図総摺箔開名古屋帯
田畑喜八作　銀座こうげい扱

今月から来月にかけて、そろそろリクエストも増えてまいります桜をモチーフにしたお着物や帯を、順番に少しずつご紹介させていただこうと思っております。
こちらは藍色の塩瀬に3つのパターンの桜の花が金だけで描かれた、趣のある開名古屋帯です。
能や能装束に造詣の深かった白洲正子さんならではのお好みで、田畑喜八氏に創作をお願いされたものかと思われます。
摺箔は能装束でも好んで使われる技法です。
以前、国画会会員の古澤万千子さん創作の「紙」という作品で、インパクトのある摺箔の訪問着のお着物が手に入った事がありますが、そちらもやはり能関連で、銀座こうげいさんで扱われたもののようです。
こちらの帯を見た時にそれを思い出しました。
金の色はあまり際立たず、焼箔のような、燻したようなやや抑えた質感となっています。
また地色のセレクトが黒ではなく濃い藍色という事もさすがのセンスだと思います。
黒地ですと舞踊衣装的な要素が強くなると思いますが、藍地になっている事で同じ衣装でも時代衣装的なイメージになるように思います。
すっきりときっぱりとした均整の取れた美しさが感じられる、個性的な珍しい作品です。
是非桜の季節に一味違うお洒落をお楽しみいただきたい、おすすめの逸品です。
藍色は「#232433　WEB色見本　原色大辞典」をご参照下さい。