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「春光」蒔糊友禅訪問着
人間国宝　森口華弘作

今回の新宿高島屋さんのイベント直前に、素晴らしい名作が2点入荷しましたのでご紹介させていただきます。
この2、3年は、特に少し抑えた柄や色使いの作品のリクエストが多かった事もあり、そういった作風のものを中心にご紹介させていただておりました。
先日ご紹介させていただいた作品などは、私自身も機会があったら一度着てみたいと憧れるようなとても好きな作品でした。
今回ご紹介させていただく作品は、この最近ご紹介させていただいていたものとは少し違った印象のもので、それでいてやはり森口華弘氏作品ならではの個性があふれるものです。
こちらは真っ白の梨地の様な地紋の生地に、上前のかなりの高さまで白黒の蒔糊で地染めがされ、それがずっと下前まで続いて、そこに黄色、黄緑、ピンク、藍鼠色など鮮やかに彩色された露芝がボリューム感たっぷりに描かれた、華やかな訪問着のお着物です。
露芝の所々に銀の駒糸で細かい刺繍も施されていて、流れる様な草のラインのアクセントになっています。
色とりどりの露芝の葉が本当に可愛らしく、綺麗に描かれていてうっとりします。
今回ご紹介させていただきました2点は色もデザインも対照的で、あり得ないような贅沢な見比べができてファンの方には喜んでいただけるのではないかと思います。
高貴なまでの品格の感じられる森口氏作品は、見ているだけでも幸せな気分になります。
お着物がお好きな方には是非ご覧いただきたい、昭和の巨匠の秀作です。
直筆のタイトルが書かれた桐の共箱があります。
未着用品。