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茶屋辻模様京友禅訪問着
五代田畑喜八作

久しぶりに、着物の王道を行くような伝統の美と技を各所に盛り込んだ、正統派の田畑氏作品に出合いました。
独特の甕覗の淡い水色地に濃い藍色で描かれた茶屋辻模様、その色使いや柄のバランスなどどれをとっても伝統的な図案が基本にありながら、ひと目見て田畑氏作品とわかる素敵な個性が感じられますが、それは先代、またさらに以前からその高い技術が連綿と受け継がれてきているからこそなのでしょう。
上前裾に挿された紅の様な伽羅色が、全体にほのかな灯りがともっているように華やぎを与えてくれているようです。
虫籠や梅の古木などの線の力強さ、細密さ、藍の色の濃淡のバランスの良い美しさ、そしてそのバランスを崩さないように散らされた金駒刺繍の宝石の様な綺麗さなどなど、各所に見応えのある素晴らしい作品です。
実際にお召しいただきますと、この上なくゴージャスな最高のお召物となって、間違いなく風格のある素敵な着姿にしてくれる事が約束されているようです。
全体にボリューム感のある柄付けでありながら、甕覗色に藍色という色使いですので、色々な袋帯をお合わせいただける事と思います。
実際に合わせて見ると、意外な組み合わせが素敵だったりするのが、このタイプのお着物の特徴です。
背筋がピンとするような気持の良い緊張感をもってお召しいただけまると思います。
伝統的で、かつ定番とも言える、間違いなく長くお付き合いいただける、大変おすすめの逸品です。
甕覗色は「#cee5e1　WEB色見本　原色大辞典」を、
伽羅色（きゃらいろ）は「#ffe4af　color-sample.com」を、
樺色は「#f4d0c3　WEB色見本　和色大辞典」をご参照下さい。
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