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東京友禅吹寄文様訪問着
染繍美術大彦製　野口彦太郎

いよいよ本格的な秋の装いの季節を迎え、皆様から色々な楽しいご予定にお召しになるお着物のご相談をお伺いする機会が増えてまいりました。
そんな中、ちょっと個性的ながらも加工が良く、伝統的なタイプのお着物をご紹介させていただきます。
こちらは淡い山葵色のような柳茶色の地に、友禅で少し大きめのイチョウや紅葉、松葉、そして菊や梅のお花が色とりどりにふっくらとした印象で描かれ、綺麗な刺繍も施された東京友禅の一番人気とも言える大彦製の訪問着のお着物です。
古くから好まれてよく取り入れられる吹寄文様ですが、構図やボリューム感、松の刺繍の線の美しさ、また全体の色使いなど、独特の個性と上品な豪華さが感じられます。
地紋は同じ吹寄文様で、とても細かい柄になっているのが心憎くも思えます。
大彦製の代表的かつ個性的なタイプでもっとボリューム感のある訪問着ですと、併せられる帯も強い印象のものが良いですが、こちらはそこまでのものでなくてもバランスが取れそうです。
名物裂模様や有職文様のものもしっくりと合いそうです。
もう少し華やかにされたい時には、もちろん龍村製や龍村平蔵製の帯もしっかりと受け入れてくれる力があります。
お出かけ先のシーンに合わせて色々と着こなしを変えて、せっかくこんな素敵なお着物をお召しいただくのでしたら、一日を素晴らしいものにしてお楽しみいただけたらと思います。
お仕立替済。
柳茶色は「#c6cc8e　WEB色見本　原色大辞典」を、
草色は「#7b8d42　WEB色見本　和色大辞典」を、
朽葉色は「#917347　WEB色見本　和色大辞典」を、
樺色は「#cd5e3c　WEB色見本　和色大辞典」をご参照下さい。