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大和絵巻図御召織着物

とても珍しいお着物が入荷いたしましたので、ご紹介させていただきます。
これほどまでに凝った図案で非常に高い技術を要する作品は、西陣でも何かの創業記念や展覧会などの機会に作られると聞いています。
数年前にも一度このタイプのお着物を取り扱った事がありますが、やはり江戸の街並みや染屋風景が織り出された楽しいものでした。
こちらは大和絵的な図柄で、春と秋の風景が描かれているようです。
雅な装いの高貴な人々が、雅楽の流れる中で船遊びや馬に乗って満開の桜や紅葉を楽しむ様子が、まるで屏風絵を見るかのように縫い取りお召の技法によって一方附で織り出されています。
染織関係の資料には「綴れ錦」という名称でも紹介されていたりしますので、古い中国の明綴的な綴れ織から発生する織物とも言えるのかもしれません。
中将姫が蓮糸で織られたという伝説で有名な「当麻曼荼羅（たいままんだら）」もやはり中国伝来の高い技術の織物で綴れ織と言われています。
染織品の歴史は、人々の長い歴史に不思議なロマンを感じさせ、色付けるものとしても楽しさがあります。
今回は同じ方がお持ちだった物で、色柄が違うお着物がもう一点入荷しております。
こういった機会は非常に珍しいと思います。是非実物をご覧くださいませ。
お仕立替済。
この着物の地色は「#d0af4c　WEB色見本　和色大辞典」をご参照下さい。