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「童子と椿」加賀友禅訪問着
初代由水十久作

まるで御所人形を見ているかのようなふくよかなお顔の表情、童子ならではの活き活きとした動き、またそれぞれの子どもたちが身につけているお着物ひとつひとつに細やかな友禅で描かれた小紋の柄など、そのレベルの高さに定評があり、童子を描かれる事では他のどなたにも真似のできない、そして加賀友禅の世界の第一人者でもあった故・初代由水十久氏作の訪問着のお着物です。
背景に大きな椿の木が描かれていますが、初代由水十久氏は大作のお着物でも木や草花を少し小さめに、お花なども可憐な印象で描かれる事が多いように見受けられます。
素晴らしい描写で構図に立体感とバランス感を生み出し、それがお召しになる時にまた一段と力を発揮します。その点も他の作家の方々とは違った個性と言えるかもしれません。
こちらのお着物の椿は鴇鼠色の地にすくっと立ちあがるように、そして綺麗にはった枝は珍しい鶸色で描かれています。それだけでもしっかりとした個性が感じられます。
ふっくらとした頬の童子は、一人は網代格子の模様、もう一人は可愛い沢蟹の模様のお着物を着せてもらって、兄弟なのでしょうか、二人ではしゃいで楽しいそうです。
牧歌的でありながらモダンさを併せ持ち、品質の良さからなる風格とまぎれもない個性と存在感、フォーマルのお席に一段と映え、着る方を最高の気分と華やぎとで包み込んでくれそうな逸品です。
今回の��島屋大阪店さんでのイベントの目玉とも言える、大変お値打価格のおすすめの作品です。
未着用品。
鴇鼠色（ときねずいろ）は「#ccbdc2　WEB色見本　原色大辞典」を、
鶸色は「#b2ab30　WEB色見本　原色大辞典」をご参照下さい。
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