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花唐草模様刺繍訪問着
人間国宝　福田喜重作

一年の中でお着物の装いの方を目にする機会が一番多く、何となくお着物への意識も高まる新年に、この季節に相応しい、それぞれのジャンルでも最高クラスの部類と言えるような素晴らしいお着物を何点かご紹介させていただきたいと思い、時間をかけて準備していましたが年末に揃って上がってまいりました。
こちらは今回2点ご紹介させていただきます、人間国宝・福田喜重氏の訪問着の作品です。
小さな水玉が並んで色々な模様に見える楽しい地紋の生地が綺麗な若草色に染められ、上前には色紙取りで斜めに並ぶように金泥や浅葱色の摺箔が施され、そこに唐花模様が見事な手刺繍で描かれた訪問着の作品です。
金糸や緋色、水浅葱色の糸でとても華やかに刺繍がされていますが、その背景の色紙の色は桑茶色や御召茶色などぐっと抑えた渋い色使いとなっているため、華やかな刺繍の糸の色が強く際立つ事なく、すっと馴染んで上品な輝きを放っているようです。
素人考えですと、せっかくのこだわりの素晴らしい刺繍が抑えられているかのように思えてしまうのですが、全体のデザインを考慮された配色なのだという事が実際に羽織ってみられるとよくわかります。
そしてメリハリのある地紋が全体の地色を変化のあるものとし、絶妙に刺繍とのバランスを取ってくれているかのように感じられます。
アクセントに縫い取られている緋色の濃淡が本当にお花が咲いたように素敵です。
福田氏はすべての工程に関わって創作されるそうですが、こういった古典の模様を伝統的な技法で表現されているのに、こんなにもモダンで軽快でそして高級感のあるお洒落なお召し物として完成されるというのは本当に大変な事であろうとこの作品に出合って実感しました。
お仕立替え済。
若草色は「#a1b220　WEB色見本　原色大辞典」を、
桑茶色は「#956f29　WEB色見本　和色大辞典」を、
御召茶色は「#43676b　WEB色見本　和色大辞典」を、
緋色は「#d3381c　WEB色見本　和色大辞典」を、
水浅葱色は「#80aba9　WEB色見本　和色大辞典」をご参照下さい。
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※販売価格の表示に誤りがございました。訂正してお詫び申し上げます。
　ご迷惑をおかけしまして申し訳ございませんでした。