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西洋風景模様すくい織袋帯
高島屋上品会扱

西洋風景に物語を盛り込んだような図柄を高度な技術で織り出した大変珍しいすくい織の袋帯です。
鶸色の地に背景の森の木々が濃い萌葱色で縁取られ、翡翠色までのグラデーションで木の葉が様々に描かれています。
背景の城壁や建物にはどこかシリアや古代イスラム的な雰囲気を持った屋根や植物がありその事からも旧約聖書の創世記の中の「イサクの嫁取り」のお話の様でもあります。
そのお話に登場する女性・リベカは稀に見る美しさだけではなく、気だてが良く、とても働き者であったという事が書かれています。
お話をかいつまむと、イサクのお嫁さんを探して「アラム・ナハライム」の町まで砂漠の中の道のりを800km歩いてきたエリエゼルが、その町で出会ったリベカにお水を求めると、気持ち良く井戸の水を汲んで飲ませてくれ、さらに10頭のラクダにまでたくさんのお水を汲んであげたそうです。とても心の優しい人物であり、その結果素晴らしい人のもとに嫁いだというお話のようです。
創世記の中のお話は宗教的な事とはまた色合いが違い、シンプルに善行を行えば良い結果があるといったように人生の中の教訓的な要素があります。
日本の昔話とは背景や時代、また文化の違いもあって興味深いお話もたくさんありますが、どことなく最後は「みんな幸せに暮らしましたとさ」が嬉しいような気がします。
そういった中で、これほどレベルの高い織りで表現されるテーマに選ばれたのもまたユニークだと感心しました。
「上品会」では、やはり大彦さんの個性的な西洋風景の図柄のものも多く、その流れに沿った作品なのかとも思いました。
いずれにしても品質が良くしなやかで、見ていても目にも楽しく、地の色と織りに使われた藍と碧のコントラストが非常に美しいです。
上等な結城紬や作家物の紬、またお召織の絵羽紬のお着物などとお合わせいただくには最適の希少性の高いおすすめの逸品です。
未着用品。
鶸色は「#d7cf3a　WEB色見本　和色大辞典」を、
萌葱色は「#006e54　WEB色見本　和色大辞典」を、
花緑青色は「#00a381　WEB色見本　和色大辞典」を、
黒茶色は「#583822　WEB色見本　和色大辞典」を、
土色は「#bc763c　WEB色見本　和色大辞典」を、
茜色は「#992127　WEB色見本　原色大辞典」をご参照下さい。