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瓢に近江八景模様東京友禅名古屋帯
染繍工藝大羊居製

少し珍しい染繍工藝大羊居製の名古屋帯のご紹介です。
大彦と並んで東京友禅を代表する人気の高い染屋さんのひとつですが、こちらはモチーフに滋賀県の近江八景図を選ばれている事がまた楽しく思えました。
近江八景とは中国の洞庭湖付近の「瀟湘八景」にならって、室町時代に関白近衛政家により選ばれたという説もありますが、江戸時代に歌川広重によって浮世絵に描かれた事から一般庶民にも広く知られるようになったようです。
石山秋月・勢多夕照（瀬田の唐橋）・粟津晴嵐 ・矢橋帰帆・三井晩鐘 ・唐崎夜雨・堅田落雁 ・比良暮雪と琵琶湖の風景を四季折々に表しています。
前柄は片面が矢橋帰帆（やはぜのきはん）で、もう片面は瀬田の唐橋となっていて、お太鼓に描かれているのはおそらく三井晩鐘と思われます。
伽羅色の地に形の良い瓢の形がくり抜かれ、そこに綺麗な甕覗きの藍色が映えて別世界を垣間見るように風情のある風景が描かれています。
細やかに施された手刺繍もきらっと華やかさを添えていて素敵です。
静かな時間の流れるような空間が上質な加工で見事に表現されているようです。
上質な結城紬や作家物などの工芸的なお着物や、江戸小紋調の無地感覚の小紋などとお合わせいただきますと、グレードの高いおとなのお洒落な装いをお楽しみいただける事と思います。
未着用品。
伽羅色は「#cc9b6e　WEB色見本　原色大辞典」を、
抹茶色は「#c5c56a　WEB色見本　和色大辞典」を、
甕覗色は「#7ac3cc　WEB色見本　原色大辞典」をご参照下さい。