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水辺の植物図大島紬訪問着
千總製

先日より少し希少性の高いタイプの千總製の訪問着をご紹介させていただいておりますが、さらに嬉しい事にもう一点入荷いたしました。
こちらは本場大島紬に染められた珍しいものです。
横に少し節がある光沢の美しい大島紬地が綺麗な裏葉柳色に染められ、裾には豊かな水を湛えた風景とそこに咲く大輪の花がアールヌーボー的な印象でダイナミックに描かれた訪問着のお着物です。
大輪の花や葉などがめぐる大胆な図案とは対照的に、色使いはパステルトーンで統一されていますので、決して強くなりすぎない素敵な個性が高級感を醸し出しています。
お花はクジャクサボテンの様にも、スイレンの種類にあるフォックスファイヤーの様にも見えます。
小さな実のなった木は杠（ゆずりは）でしょうか？と、お着物や帯にディフォルメされて描かれた植物を調べるのはいつも少し大変ですが、調べた結果が違っているとお客様から教えていただけたりして、それもまた楽しくもあります。
浅紫色の大輪の花は右後身頃と左肩口に描かれて面白いバランスとなっていますが、淡色使いという事もあって帯のボリューム感によって色々と着こなしを変化させられそうです。
王道を行く着こなしとしては、川島織物製のあまり凹凸感のない上品なものと合わされて全体をシックなゴージャス感でまとめられたり、アールヌーボー的な模様がお得意な白陵苑大庭製のカラフルな帯と合わされて一段と個性的な着こなしも楽しいですね。
また少しボリューム感のある龍村系の袋帯もバランスが取りやすいかもしれません。
純フォーマルのお着物ではありませんが、そのクラスの帯と合わされても十分に答えてくれますし、小物も決めてバッチリと着こなされますと品格のある美しさに目を引かれます。
個性的でありながら着こなしのイマジネーションの広がりがあり、お出かけの範囲も広く、身につけるたびに満足感を得られる大変おすすめの逸品です。
未着用品。
裏葉柳色は「#cad8ad　WEB色見本　和色大辞典」を、
瓶覗色は「#77bdc6　WEB色見本　原色大辞典」を、
浅紫色は「#c4a3bf　WEB色見本　和色大辞典」をご参照下さい。