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重要無形文化財本場結城紬
100亀甲　亀甲に小紋絣尽し着物

ここのところ、東京でも少しずつ空気がやわらぎ、吹く風もキーンと冷たくはなくなったように感じます。
お花も咲き始め、本格的に暖かくなりはじめますと、コートを脱いでショールくらいで軽やかにお出かけしたくなる季節へ移っていきます。
そんなこれからの季節に、お出かけ気分もぐっと盛り上がりそうな素敵な結城紬を2点ご紹介させていただきます。
こちらは10種類くらいの色の糸で亀甲と細かな絣が織り込まれていて、使われているパステルカラーの淡く綺麗な色と色とがお互いに引き立て合って、お洒落で高級感のある雰囲気を醸し出しています。
経の縞だけでも6色使われていて、甘いピンク系のベージュ・亜麻色の地に亀甲絣と模様の絣が交互に配置されています。
細やかな亀甲絣の地には黄緑色、水浅葱色、インクブルーの藍色などの色糸が使われ、その間には利休鼠色、胡桃染色、茶鼠色などが使用されて七宝やつる草、青海波などの模様が絵絣で織り込まれるといった、非常に凝った模様が全体に織り出されています。
長い時間をかけて手仕事の積み重ねによって生まれた事がよくわかります。
それでいて、実際にお羽織りいただきますと、申し訳ないながらもそういった事をふっと忘れてしまうほど軽くしなやかで、結城紬ならではの力に魅了されてしまいます。
この何にも例えがたいような空気のようにふわっとした軽やかさと、甘く綺麗な色の集合は、気持ちまでやさしくなれるような不思議な魅力を湛えています。
是非実物を手にとってご覧いただきたい、日本を代表する素晴らしい染織の伝統工芸品です。
未着用品。
亜麻色は「#d6c6af　WEB色見本　和色大辞典」を、
利休鼠色は「#888e7e　WEB色見本　和色大辞典」を、
胡桃染色は「#a58f86　WEB色見本　和色大辞典」を、
茶鼠色は「#a99e93　WEB色見本　和色大辞典」をご参照下さい。