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本場琉球紅型生紬単衣小紋
日本工芸会正会員　城間栄順作

これからの季節にお召しいただける、少し珍しい涼しげな印象の本場琉球紅型のお着物のご紹介です。
やや藤色に寄せた淡いグレー・暁鼠色の透明感のある生紬地に、テイカカズラのようなお花を長方形のような形にひとつのモチーフにまとめられて散らされています。
全体には、地色より少し濃い同色でシルエット的に地紋のように隙間なく模様が染められ、大きくは市松の配置に飛び飛びに藍の濃淡で染められた、非常に手の込んだ小紋付けの単衣のお着物です。
目立たない地染めの部分も丁寧に染めてあるため、全体の雰囲気が大きく変わり、奥行きのある模様となっているようです。
藍色に染められた部分は地染めをする際に色留めをして白く染め抜かれていて、そこに濃藍色、紺青色、紺瑠璃色と細やかな濃淡で色が挿されています。
またお花と葉の何個かが白く染め残されているのですが、それだけで風の抜けるような解放感と清涼感が生まれるのだとわかり、素晴らしいと思いました。
さらっとした張りと弾力性と程良い透け感がたまらなく上質な雰囲気を醸し出しています。
袋帯でも名古屋帯でもお好みでお合わせいただけて、お洒落着的な要素の中に格の高さがあり、着こなしでお出かけの範囲も広がるのではないかと思います。
晩春から初夏へさりげなく格好良くお洒落に着こなしていただきたい逸品です。
未着用品。
暁鼠色は「#d3cfd9　WEB色見本　和色大辞典」を、
紺瑠璃色は「#164a84　WEB色見本　和色大辞典」を、
紺青色（こんじょういろ）は「#14264d　WEB色見本　原色大辞典」をご参照下さい。