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菱繋ぎ羅織八寸名古屋帯
日本工芸会正会員　宮島勇作

織を極め、長年ご苦労を重ねられて「羅織」や「斜め織」織る独自の方法を考案され、後継の人々にも大きな影響を与えられた宮島勇氏作の羅の名古屋帯です。
宮島氏作品は今までにも何度か扱わせていただきましたが、完成度の高いものが持つ厳しさの中に、着る方のためにつくられたという作り手の素朴な思いが伝わってくるような素敵なものばかりでした。
こちらはオレンジ色寄りの柿色・ときがら茶色の張りのある糸が繊細に絡み合って菱の文様を織り出し、帯という形になっていますが、いつまでも手で触れていたくなるほどにそして愛おしくなるほどに綺麗です。
帯で締めてしまう事がもったいないような高貴な織物のようで、それでは本末転倒になってしまいますが、とにかく目にも楽しく心地良い存在感を発揮しています。
何を目にされても機織りの技法に取り入れられないかといつも考えていらっしゃったそうですが、採算の合わない事でも顧みずにより高度な技術に挑戦され、素晴らしい作品を残されました。
現在もなおフレッシュで上品な佇まいで、宮島氏作品のファンの方には必見のお洒落な夏の逸品です。
未着用品。
ときがら茶色は「#99614d　WEB色見本　原色大辞典」をご参照下さい。