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水辺の風景図型絵染紬着物

街に吹く風にも秋の気配を感じ、朝夕過ごしやすい季節となってまいりました。
本格的なお着物シーズンを迎えるにあたって、以前より個人的に保管していたものを何点かをご紹介させていただく事にいたしました。
こちらは素晴らしくレベルの高いデザインを高い技術で染められた型染のお着物です。
芹沢�_介氏関連の作品である事はわかっているのですが、作者が特定できませんでしたので10年近く保管しておりましたが、この秋に型絵染の展示会を行うこともあり、比較してご覧いただけたらと思い、ご紹介させていただきました。
明るめの水浅葱色が上質な座繰り紬の光沢のある生地に映えて、それだけでも目に爽やかに映ります。
流水に菖蒲の花が咲き、貝や魚篭も添えられています。
少し渋めの弁柄色・紅樺色と山吹茶の黄色が水浅葱の地色に映えて、民芸的でありながらもモダンな色使いと品質の良さから感じられるなんとも言えない魅力が、見ているだけでひしひしと迫ってきます。
芹沢氏もこういった調子の沖縄の風物や民家の描かれた風物的な図柄をこの色調で作られていて、その作品を何度か拝見した事があります。
いずれにしても昭和のしかるべき巨匠の手による素晴らしい作品である事は、実物をご覧になりますとすぐにおわかりいただけますし、目にも楽しく、魅力的な作品である事に驚かれると思います。
是非この機会に一度ご覧くださいませ。
薄縹色（うすはなだいろ）は「#3e6280　WEB色見本　原色大辞典」を、
紅樺色（べにかばいろ）は「#803b32　WEB色見本　原色大辞典」を、
山吹茶色は「#c89932　WEB色見本　和色大辞典」を、
利休鼠色は「#888e7e　WEB色見本　和色大辞典」をご参照下さい。