【商品説明】
民芸的な染織品、特に手紡ぎ手織りの木綿がお好きな方にも人気の高い「丹波布」ですが、近年では非常に工芸的な要素でとらえられている藍染の木綿の絣のものや筒描きなどの他の染織品と同様に、日本の古い染織文化の中で自然発生的に気候風土に合うように生まれてきたもののひとつと言えるでしょう。
「丹波布」は1800年代文政頃に播州木綿の影響を受けて、もともとは野良着などとして織り始められたと言われています。
その後、明治期にかけて京都という大きな市場を控えていた事もあり、盛んに織られるようになったものが少しずつ洗練されていき、小袖やお茶道具、骨董品の包み裂などとしても珍重されていたようです。
しかし大正期頃には衰退していき、ついには作られなくなっていったようです。
昭和の初め頃、柳宗悦氏が京都で偶然にこの魅力的な縞木綿に出合い、そのルーツを探されて、現代の兵庫県丹波市青垣地域で織られていたものと特定するに至りました。
一時期絶えていた貴重な織物の復元を進め、工芸研究家とともに指導をされ、試行錯誤を繰り返されて現在の形になっていったようです。
地元の草木で染められた独特の茶綿色の柴染色の地に、濃い藍色と濃い藍緑の鉄色の縞が交差しています。
丹波布の特徴のひとつでもある真綿の「つまみ糸」が横段にとびとびにアクセントのように織り込まれています。
手紡ぎの木綿ならではのざっくりとしながらふんわりとした手に馴染む懐かしい質感と魅力的な色合い、こちらのお着物のような未使用に近いものは、たくさんお召しになる事で愛しみ、時を経て風合いを育てていただく楽しみもあります。
着こなしとしては他の手紡ぎ手織りの木綿のお着物や、伊兵衛織の単衣と同じような感覚でお召しいただくと良いかと思います。
身に着けていただくと、手元で見ているよりも格段お召しいただきやすいタイプのものです。
手仕事の積み重ねの味わい深い素敵な魅力を放つ、おすすめの逸品です。
こちらはおそらく20年位前の作と思われます。オリジナルのままでお出ししています。
裄丈は2〜2.5cmは出す事が可能です。加工等は当店にご相談ください。
柴染色(ふしぞめいろ)は「#805b40 WEB色見本 原色大辞典」を、
鉄色は「#00332a WEB色見本 原色大辞典」を、
濃藍色は「#050b1a WEB色見本 原色大辞典」をご参照下さい。 |