【商品説明】
貝紫と並び高貴な色とされる紫根染の紫ですが、その歴史は古く遣隋使によって日本に伝わったとされています。
鎌倉時代には南部地方に伝わり、染料である紫草の品質の良さから南部の紫根染めが一番のものとされたようです。
江戸時代の高位の人々が着用した友禅の小袖などにも部分的に施された紫根の絞り染めを見る事ができ、希少性の高い非常に高価なものであった事がうかがえます。
そういった歴史的な背景を知らずに見ても、貝紫や紫根の紫は出合うたびに他の色にはない不思議な力があり、引き寄せられるような魅力を感じさせられます。
こちらは少し変わった模様の絞りで、全体に約5cmの亀甲の模様が連続して並び、その中に蜘蛛絞りが染められています。
小さな丸から放射線状に広がる線の表情がどれも違って楽しく見る事ができます。
ふんわりとした木綿の質感も懐かしく、肌に触れると心地良く、すぐにでも手を通してみたくなります。
実際にお羽織りいただきますと、手元で見るほどには強いイメージはなく、見る人にも素敵な印象になるのも紫根染めの特徴と言えます。
それも紫という色の持つひとつの力かもしれません。
少し明るめの発色で、小紋感覚でお召しいただけるカジュアルなお着物です。
最初は無地感覚の紬の八寸名古屋帯を合わされて、慣れてこられたら染めのポイント柄の帯なども良いですね。
ご自分のものとして馴染まれたら、意外と色々な帯が合う事がおわかりいただけて、帯合わせも多様にお楽しみいただけると思います。
長くご愛用いただけてお召しいただくたびにワクワクするような、素敵なおすすめの一点です。
お仕立替え済。
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