【商品説明】
「渡来錦」の解説文を読みますと、格調高い起源であり、モール織という名物裂の一種であるという事がわかるのですが、実際に目にすると「なんて可愛い縞模様の袋帯」といった印象です。
地は撚りの強い極細の糸で織られているようですが、軽くて少し透け感もあるため3シーズン用としてお使いいただけそうです。
白地にジグザグ模様のある浅蘇芳色の細い縞、それにかかる金色の小さな丸が、可愛らしさの中に均整の取れた美しさを醸し出しています。
フォーマルのお着物と合わせて個性と品格のある装いをしていただくのも素敵ですし、江戸小紋や地紋無地のお召織のお着物などともすっきりとコーディネートしていただける事と思います。
ありそうでなかなか出合わないタイプの、上質でいて軽やかさもあるおすすめの逸品です。
未着用品。
浅蘇芳色(あさすおういろ)は「#804553 color-sample.com」
をご参照下さい。
◆桝屋高尾「渡来錦」解説より
織物の基本である平織りの美しさを究極まで表現したのが「渡来錦(とらいにしき)」。
その創造の源泉は法隆寺に伝わる「藕糸七条袈裟(ぐうしななじょうげさ)」にあります。
筬(おさ・機を織るとき経糸を整える道具)を使わなかった時代の素朴でありながら
気品のある織物に魅せられ撚りの強い糸を使って丹念に織り上げました。
渡来錦の魅力のひとつは、手にした時の驚くほどの軽やかさとしなやかさです。
締めていることを忘れてしまうほどで、元文化庁文化財鑑査官・北村哲郎氏より、
「究極の織物」という表題でコメントを頂戴しております。
この「渡来錦」と称する平織りは、正倉院に現存する平絹の気品漂う織り味に魅了された
高尾 弘が新しい平織りの世界を作ろうとした情熱の成果です。
一見何の変哲もないように見える平織りも、素材や技法を工夫することにより、
手織りでしかできない世界を表現することができます。
※「藕糸七条袈裟」藕糸とは蓮の茎からとった繊維で織られたものです。
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