【商品説明】
重要無形文化財指定「友禅」保持者・木村雨山作。
伝統ある加賀友禅の作家の中で、先駆者として人間国宝の認定を受けられた、故・木村雨山氏作の素晴らしい訪問着のお着物です。
そのお名前の有名さとは対照的に、こういった大きな作品に出合う事は稀で、今回も久しぶりのご紹介となります。
緑味のあるベージュ・柳茶色の地に大ぶりに描かれた葱の花が元気良く並んでいます。
珍しいモチーフですが、タッチや色使いからも日本画を学ばれた木村雨山氏の作品らしさが漂います。
花の部分の色使いは虹のように美しく、花言葉のとおり微笑んでいるようにも見えてきます。
たっぷりとしたお花の豊かさがおめでたいと言われる所以かもしれません。
葉の白い胡粉で色を調整された部分もまた絶妙で、他には見られない作風と言えるのではないでしょうか。
加賀は独特の武家文化の発展により、染織に限らず塗芸や木工工芸など多数の高度な芸術性のある文化が培われた地域です。
染織の世界では、友禅と同じく加賀縫いの歴史も古く、近年では数少なくなってしまいましたが、第二次世界大戦までは数多くの素晴らしい作品が作られていました。
昔東京在住の方が、娘が嫁いだので近い将来子どもが生まれるであろうから、それに合わせてお宮参りに着せる晴れ着の加賀縫いの丸帯を、制作に日数がかかるため一年以上も前に注文したと聞いた事があります。
もちろん同時に晴れ着のお着物も友禅でお誂えされ、同じく日数をかけて色々と注文をされたようです。
なんですかゆっくりとした時間の流れる優雅な良い時代のお話に聞こえたりもします。
そんな時代には、分業が基本である友禅染めに関わられる職人さんの数も多く、作家さんもしのぎを削るほど多かったようです。
作家さんもそれぞれ独自の個性を表現され、より高い技術を習得しなければ生き残れなかったそうです。
その中の第一人者であり昭和30年に重要無形文化財指定「友禅」保持者となられた木村雨山さんの才能の豊かさは飛び抜けていたのでしょう。
ゆとりを感じられる、のどかな空気が溢れる秀作です。
お仕立て替え済。
地の色は柳茶色「#cccca3 color-sample.com」、
葱の葉の色は水浅葱色「#739997 color-sample.com」、
葱の花の色は水柿色「#e4ab9b color-sample.com」、
鉄紺色「#1c265c color-sample.com」、
深緑色「#00552e color-sample.com」、
金色(こんじき)「#b38d1b color-sample.com」、
紅樺色「#99473c color-sample.com」をご参照下さい。
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