【商品説明】
今から200年以上も昔の人々の工夫から生まれた刺し子という技法。
まだ日本には渡りの木綿が豊富になく、各地域での栽培も難しく麻の布が主流であった頃に生まれた生活の知恵で、寒い地方でできるだけ風を通さない事を目的に、防寒として木綿の糸を刺した野良着から始まったそうです。
その後、木綿が手に入るようになってからは装飾的な意味合いで刺す事もあったようです。
農家の女の子は幼い頃から刺し子を覚えて、年頃になると前掛けなどに他人より高い技術で華やかな模様の刺し子をしたものを身に着けて出かけ、人の目にとまると良い嫁入り口を紹介してもらえるといった事もあったそうです。
昔、民芸研究家のおじいさんに聞いたお話で、当時それこそまだ嫁入り前の若かった私は驚いてしまいました。
現在では民芸的な趣味性の強いものとして珍重されていますが、精密でありながら人の手のぬくもりを感じられる素敵な作品です。
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