【商品説明】
正倉院御物の染織品の中に、三大纈と呼ばれる「蝋纈・纐纈・夾纈」という染色方法があります。
わかりやすく言いますと、蝋纈は柄に蝋で色止めをして染めたもの、纐纈は絞りで柄をつけて染めたもの、そしていまだ謎が多いのが夾纈染めです。
正倉院裂の中でも「樹下双鳥文夾纈あしぎぬ」(※正式には「あしぎぬ」は漢字表記)、「鹿草木夾纈屏風」など有名なものもあり、私も数年前に正倉院展で実物を見て感動したのを覚えていますし、その裂は目に焼き付いています。
ほかの上代の染めや織りのほとんどはその工程や技法が解明されているようですが、夾纈染だけは現在も解明されていない部分があるそうです。
染織品を通して古代に思いを馳せるような、とてもロマンティックなお話だと思えます。
現在、その夾纈染を独自の技法と工夫を加えながら創作されている作家さんもいらっしゃいます。
しかし、これほどの大作となりますとなかなか出会う事が少なく、過去10年以上に渡って出会えたのは2度だけです。
こちらは経によろけ縞のような地紋のあるしっかりとした生地が、品格のある御召茶色に染められ、そこに夾纈染めならではの暈しの輪郭が美しい花鳥模様が染め出されています。
たっぷりと豊かに色とりどりに描かれた花の中を遊ぶ鳥たち、楽園のような平和な時間の流れさえ感じられます。
古代の最高峰であったものの持つ重厚さと、現代の装いに沿った気品のある着物としての美しさが融合しています。
友禅や刺繍には見る事のない独特の華やかさと品格のある素晴らしい逸品です。
今回は非常に珍しい事に、紬地に染められたものと2点の入荷となっています。
未着用品。
地の色は御召茶色「#43676b color-sample.com」、
夾纈の色は滅紫色(けしむらさきいろ)「#594255 color-sample.com」、
黄唐茶色(きがらちゃいろ)「#b98c46 color-sample.com」、
藍媚茶色(あいこびちゃいろ)「#555647 color-sample.com」、
錆鉄御納戸色(さびてつおなんどいろ)「#485859 color-sample.com」をご参照下さい。
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