【商品説明】
北村武資さんは早くに家族を支えたいという思いから、進学をあきらめて15歳で西陣織の世界に入られました。
5年間の機屋さんでの修業の後、さらに貪欲なまでにあちらこちらの機屋さんの暖簾をくぐり独学で勉強をされ、龍村美術織物さんや川島織物さんでも染織を学ばれました。
独立されてから日本伝統工芸展に初出品で受賞、その後も作品を出品し続けて各賞を受賞されました。
日本工芸会正会員となり、1995年に「羅」、そして2000年には「経錦」の重要無形文化財保持者に認定されました。
お一人の方が、独学で対極にあるような種類の重要無形文化財保持者になるという事は非常に稀ですし快挙と言えますが、その裏付けはすべての織物を熟知されて、高い技術で取り組まれているという事以外の何物でもないと思います。
デザインも独自のセンスでされるため、伝統的な図案からなるものでもオリジナリティが感じられます。
常にその時代にお着物を着る人の心に沿った美しい織物を創作され続けています。
「羅」の歴史は古く、中国前漢の時代からあり、日本には7世紀頃に伝えられたと言います。
北村武資氏も出土品を見てその美しさに深い感銘を受け、その後長年に渡って研究を続けられる中でたくさんの問題を精力的に解決し、復元を実現させ、さらに独自の技法も確立されました。
今回、北村氏の「羅」の作品の中でも非常に希少性の高い「羅金」の作品が同時に3点入荷するという極めて珍しく、驚きであり、嬉しい事が起きました。
こちらは「花菱文」というタイトルで、大小の花菱が斜め格子の配置に並んで織り出されていますが、2011年の『「織」を極める・人間国宝 北村武資展』でも展示されていた作品です。
どこかオリエンタルな雰囲気のある古渡の裂の面持ちが感じられ、格調の高さとモダンさが相まっているような素敵な図案となっています。
今回ご紹介している3点の中でこちらの帯だけ織りが少し違っていて、緯糸の箔の糸が模様と模様の間を渡っていないため模様がはっきりと見えます。
斜めに配置された小さな花菱の模様の可憐さが一段と輝いて目に映ります。
他のものでは見た事のない美しい光沢と質感と軽やかさ、是非この機会に実物をご覧くださいませ。
未着用品。
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