【商品説明】
古代エジプトのキリスト教に信仰心を持った人々はコプト人と呼ばれていました。
その人々が約4〜5世紀を中心に2世紀から12世紀あたりまで織られていたものをコプト織といいます。
麻や羊毛、絹糸を使って、聖書の中の人物や場面、鳥や植物などを綴れ織りの技法で表しました。
アラブ人支配下にあった時代には抑圧され、それとは分からないような図案でキリストや十字架が描かれていたりします。
柄の中にはキリストを魚の形で表したり、十字架を車輪の様な文様にしたりして織り込んだ物などがあります。
こちらはそのコプト裂の中の傑作と言われる「花環を持つインコ」の文様を初代龍村平蔵氏が復元したもので、代表作のひとつともいえる素晴らしい丸帯です。
龍村平蔵氏がそれまでの日本の織物を美術的価値にまで高めた功績は有名ですが、古代の染織品の研究にとどまらず、図案家の育成にも尽力され、それまで帯としてはありえなかった斬新なデザインを数多く世に出されました。
こちらのコプトの鸚哥の図案も、それまでの日本の帯の世界には見られる事のなかったものだと思われます。
それを身に付けた時の色柄のバランスやボリューム感など、様々な面から計算、考慮されている事が素晴らしいです。
一目見てそれとわかる独特の個性と存在感、そして高級感を持ち合わせている事が、龍村平蔵製の作品に共通して感じられる事であり、普遍的人気の理由ともいえるのでしょう。
他では見られない個性的なモチーフと構図、地金となった綴れ織の豪華さ、そして重厚感。
それでいて煌びやかすぎる事もなく、古代へのロマンのような憧れと品格のようなものが感じられます。
主役のインコの姿から可愛らしさと凛々しさが伝わってきて、どんなお着物と合わせてみましょうかと楽しみに見る事ができます。
第一礼装のお着物からお合わせいただけますが、綴れ織ならではのキャパシティの広さから、もう少しカジュアルダウンして、地紋無地のお着物やお召織のお着物などとお合わせになるのも良いかもしれません。
個性の光る素敵な図案が目を引くおすすめの逸品です。
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