【商品説明】
明治期頃まで、西陣の高級な織物は正倉院裂などに代表されるような、名物裂の復元的なものが主流であったようです。
友禅や刺繍などのジャンルでも同じ事が言えますが、それは伝統的なものを守り、継承し続ける事が重要視されていたためかもしれません。
その後、大正から昭和にかけて着物の世界もひとつのファッション的な要素が求められはじめると、その傾向が急速に変化をはじめ、そうした時代にトレンドリーダー的な作家やデザイナーが生まれ、それまでになかった画期的な意匠も多く見られるようになりました。
龍村平蔵氏もそういった変革に大きく貢献されたお一人です。
その当時の画家などにも声をかけデザインを広く集められ、それまでにない独創的な作品をたくさん発表されました。
現在、四代目まで継承されている龍村平蔵ブランドの作品には、ほかの織元や機屋さんには見られない個性が溢れています。
こちらは濃い臙脂寄りの焦げ茶・黒鳶色の地に、色とりどりの色の糸や細い箔の糸で雲や鳥、草木や蝶などが散らされ、獅子と鳳凰が駆ける様子が織り出された「木画獅鳳文」の本袋帯です。
木画とは奈良時代の代表的な木工品の装飾技法で、木地に模様を刻み、杢目の違う堅い木や象牙などで埋めて象嵌を施して飾る技法の事だそうです。
雲の文様を背景に藍白色の獅子と金の鳳凰が駆ける様子が仮想空間のようなめでたさを感じさせていて、それが色とりどりの箔の糸で表され素晴らしい雰囲気を醸し出しています。
動きによって箔の糸の光沢が変わり、色も違って見え、模様にも奥行きが生まれゴージャスさがあります。
第一礼装の訪問着や附下から、柔らかい素材の地紋無地、お召織、光沢のある無地の紬のお着物などにお使いいただけます。
風格のある趣味の良い装いを実現してくれそうな、素晴らしいおすすめの逸品です。
地の色は黒鳶「#432f2f color-sample.com」、
獅子の色は藍白「#ebf6f7 color-sample.com」、
草の色は青丹(あおに)「#99ab4e color-sample.com」、
花の色は臙脂「#b94047 color-sample.com」
をご参照下さい。
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