【商品説明】
夏の装いの楽しみのひとつでもある麻のお着物、その中でも宮古上布と並んで天然の苧麻の味わいが感じられる魅力的なものといえば越後上布です。
どちらもたくさんの工程を経て、たくさんの熟練の人たちの手仕事の積み重ねによって作り上げられる、芸術品とも呼べるような素晴らしい工芸品です。
南の島のおおらかさから成るものと、厳しい雪に閉ざされた土地柄から成るものの個性の違いが再発見できる季節でもあり、毎年この季節が楽しみに思えます。
特に越後上布は1400年とも言われる長い歴史を経てなお、その技術が連綿とつながれ、現在も受け継がれているという事には驚きしかありません。
髪の毛ほどの細さの苧麻の糸を根気よく手績みでつないで、長い長い一本の糸にして織り出していく越後上布。
その苧麻の味わいがたまらなく魅力的な上に、一番手間のかかる絵絣の模様が織り出されたお着物です。
長四角の格子の模様が交差するところに菱の様な星の様な経緯の絣が置かれ、格子の模様に重なるように椿の様なお花と蝶々の絵絣が織り込まれています。
近年では重要無形文化財の絵絣の越後上布はほとんど生産されておらず、その意味でも希少性が高いと思われます。
本藍と思われる藍色は、素材の性質とも相まって透明感のある素敵な色となって、光に透かして見ますと本当に綺麗です。
実際にお召しいただくと、白い襦袢が透けて糸味の良さがふわっと現れる事と思います。
藍系の上布は、最近では9月の中旬から下旬頃までお召しいただけますので、9月に入ってからは色のある襦袢を合わせて帯の色合いも変えられると、また雰囲気が変わって良いかもしれません。
盛夏には麻の染め帯や透かし織や羅の帯、自然布の無地系の帯などと合わせて、夏ならではの装いをお楽しみいただきたいと思います。
藍の色がとても綺麗で、花が咲いたような絵絣が素敵な、なかなか出会う事のないおすすめの逸品です。
衿裏に平織の麻がついています。居敷当てはついていません。
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