【商品説明】
夏の装いの楽しみのひとつでもある麻のお着物、その中でも宮古上布と並んで天然の苧麻の味わいが感じられる魅力的なものといえば越後上布です。
どちらもたくさんの工程を経て、たくさんの熟練の人たちの手仕事の積み重ねによって作り上げられる、芸術品とも呼べるような素晴らしい工芸品です。
南の島のおおらかさから成るものと、厳しい雪に閉ざされた土地柄から成るものの個性の違いが再発見できる季節でもあり、毎年この季節が楽しみに思えます。
特に越後上布は1400年とも言われる長い歴史を経てなお、その技術が連綿とつながれ、現在も受け継がれているという事には驚きしかありません。
以前取材に伺った時にも糸績みの作業を拝見しましたが、髪の毛くらいの細い苧麻の糸を巧みに扱われて、繋いでいかれるのは熟練の技だけではない根気と情熱がなければできない事だと感じました。
そうして績んだ苧麻の糸を苧桶(おぼけ)にためていきますが、一反の長さ14m、数にして1000〜1400本分という気の遠くなるような作業です。
その後も糸を絣の模様に合わせて手括をして染め、その極細の糸を機にかけて織り、そういった数々の手仕事が60〜70工程積み重ねられて、重要無形文化財の越後上布は完成します。
個人的にもその魅力に惹きつけられ、毎年この時期にうっとりと眺めては愛しく感じ、どんな方のお手元に渡っていくのでしょうと楽しみに思えたりするものです。
こちらは白地に薄鼠色の極細の万筋の縞が織り出された越後上布で、透き通る生地がまるで氷砂糖を光に充てて透かしているように見えるような、なんともいえない透明感が魅力となった素敵なお着物です。
少し離れると無地に見えるような本当に細い糸の縞で、何色とも表現のしがたい美しさです。
本当にいろいろな帯と合わせられると思いますので、自然布の八寸名古屋帯から型絵染、紅型染めの名古屋帯、友禅の染めの名古屋帯まで広い範囲の帯と合わせて、お出かけの気分によってコーディネートしていただけます。
手仕事の積み重ねで完成されたものでありながら、とてもスタイリッシュで都会的な印象を持った、大変おすすめの逸品です。
こちらは未着用品でとても良い状態でしたが、寸法が小さかったためお仕立て替えをしております。
衿裏と居敷当てには小千谷の絽麻を使用しております。
薄鼠「#9790a4 color-sample.com」
をご参照下さい。
|