神奈川の大学でデザインを勉強した後、最終的に染織家の道へ進まれ、川島テキスタイルスクールやご縁のあった作家さんに織りを学び、何年か経た後に故郷の二戸に戻られた谷田部さん。
何年間か都会の喧騒の中で過ごした事で、故郷にある様々な自然を改めて美しく感じられるようになったそうです。
数年前にお伺いしたのですが、4匹の猫ちゃんとこだわりのライフスタイルでこだわりの作品を創作されていて、とても素敵な暮らしだと思いました。
こちらは水の流れを消え入るような絣の足で表現され、縁取りのような吉野織が経緯に織り出された躍動感のある名古屋帯地です。
水に流れがあるからこそ、色々な生き物や植物に生命が宿りめぐっていくという思いからのデザインだそうですが、それをなるほどと感じさせられる素晴らしい作品です。
段変りの絣は緑味のある藍色と、紫味のある藍色とに染め分けられ、地も一色ではなく灰黄緑色の生成りに砂色のベージュが縞のように入れられていて、とても複雑なニュアンスのある色となっています。
それも白山吹、椿、渋木などの草木で染められた透明感のある綺麗な色で、吉野織の部分の糸がキラキラと輝いています。
個人的にも大ファンである谷田部さんの作品は、そのお人柄のとおり優しさに満ちていて見る人を幸せな気持ちにしてくれます。
是非この機会にご覧ください。
【谷田部郁子】
岩手県二戸市に生まれる
神奈川県東海大学教養学部デザイン学科卒業
2年間会社勤務を経た後染織の道に進む
現在二戸での創作活動を続ける
国画会新人賞受賞
国画会準会員
地の色は砂色「#dcd3b2 color-sample.com」、
灰黄緑「#e6eae3 color-sample.com」、
段の色は紺藍 「#28274d color-sample.com」、
褐返(かちかえし)「#203744 color-sample.com」、
水浅葱「#80aba9 color-sample.com」
をご参照下さい。
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